学級経営が上手くいかないときに読むべき本【おすすめの3冊】

教育相談

おはようございます。ハルキです。

職業としての教師をやっています。

今回は、「学級経営が上手くいかないときに読んでほしい本」についてお話したいと思います。


中堅教師となり、後輩からたくさんの相談を受けることになりました。

その中で、よく問われるのは、一つは授業のこと。

そして、もう一つは学級経営のことですね。

相談されたときは、他の誰でもない、僕自身が学級経営に悩んだときに読み返した本を紹介することにしています。

もちろん、場面々々に合わせた本はたくさんあるのですが、今回は「教師を辞めたくなるぐらい悩んだときに読んだ本」を紹介します。

少しでも皆さんのためになれば幸いです。

それでは行きましょう!


学級経営が上手くいかないときに読むべき本【おすすめの3冊】

これから紹介する本は、いわゆる「教育書」ではありません。

ジャンルとしては、「ビジネス書」になります。

どの本も内容や分量が濃く、正直、読み切るのはなかなか時間がかかります。

しかし、どの本も対症療法ではなく、本質的な悩みを解決する内容なので、中身は深くなります。

苦労して読んだ分の見返りはきっとあるので、ぜひ頑張って読んでほしいと思います。


他人からの批判や人間関係に悩んだときに読むべき本

まずは、他人からの批判や人間関係に悩んだときに読むべき本を紹介します。

教師に限らず、我々は生きているだけで、なぜか理不尽な批判や非難をされることがありますよね。

理不尽な批判や非難から生まれるストレスは、本当に溜まったものじゃありません!笑

本来は学級経営が上手くいかないときの、具体的な方法を知りたいと思います。

ただ、良い学級経営の条件は、教師の心身の安定・充実が何より大切です。

学級経営が上手くいかなくなると、いろいろなところから批判や非難が増えます。

そんな皆さんに、おすすめする本です。


『道は開ける』デール・カーネギー

他人からの批判や人間関係に悩んだときは、デール・カーネギーの『道は開ける』がオススメです。

何年も読み継がれる古典的名著でして、たくさんの事例をもとに、悩みや批判を解消する方法を教えてくれます。

目次のメインタイトルを紹介しますね。

これだけで「これが自分の求めていた本だ!」とワクワクしますよ笑


1.悩みに関する基本事項

2.悩みを分析する基礎技術

3.悩みの習慣を早期に断つ方法

4.平和と幸福をもたらす精神疾患を養う方法

5.悩みを完全に克服する方法

6.批判を気にしない方法

7.疲労と悩みを予防し心身を充実させる方法


悩み・批判・疲労など、現代人の課題に対して、ストレートに解決法を教えてくれます!


個人的に好きなフレーズは、

「カブトムシに打ち倒されるな」

です。

「なんのこっちゃ?」と思うかもしれませんが、とても深い内容です。

簡単に説明すると、雷や台風でびくともしない巨大な大木が、カブトムシの群れに木の皮や幹の中を食べられてしまい倒れてしまう、という内容です。

つまり、人間は大きな災難があるときは勇気を出して立ち向かえるが、案外、日頃の小さな出来事でクヨクヨしてしまう、という意味です。

このフレーズを見たときに、僕は「大事なことならまだしも、気にする必要もなく、忘れてもよい小事で心をいちいち取り乱すな!」と思いました。

この出来事は雷や台風なのか、それともカブトムシなのか。

カブトムシならば、いちいち気にしないでもう忘れてしまおう!

と思えるようになりました。

他にも素敵なフレーズがたくさん並んでいる本ですので、ぜひ読んでみてください!


「子どもたちが自主的に動いてくれないな」と感じたときに読むべき本

学級経営が上手くいっていないときは、時間間隔がルーズになったり、給食準備や掃除当番もいい加減になります。

つまり、子どもたちが自主的に行動していない状態です。


『学習する組織』ピーター・センゲ

そんなときにおすすめな本は、ピーター・センゲの『学習する組織』です。

とっても読み応えのある本で、内容のレベルも高いです。

僕もすべてを理解できません^^;笑


学習する組織の中で紹介されている「システム思考」という言葉が、とても大事です。

システム思考を要約すると、「トラブルの原因はシステムの障害である」という考え方です。

システムは「仕組み」と捉えても大丈夫です。


学級経営において、ある子どもが授業中に、落ち着いた行動ができなかったとします。

通常ならば、その子の問題だと捉えてしまうのでしょう。

しかし、システム思考では「その子の問題ではなく、システムの問題だ」と考えます。

極端な例ですが、全員が静かに座っているから、その子一人が目立ってしまうのです。

いっその全員を自由に立ち歩ける授業にしたら、どうでしょうか。

その子だけが目立つことになりません。


学級経営が上手くいっていないとき、つい対象となる子どものせいになってしまいがちです。

しかし、そうではないのです。

その子がマイナスな行動をしてしまうようなシステムがよくないのです。


この本を読んでから、僕はクラスの上手くいっていないシステムの原因と同時に、「どうすれば子どもたちが自主的に行動できるシステムになるだろう」と考えられるようになりました。

姉妹本として「学習する学校」という本もあるので、ぜひ合わせて読んでみてください!(すごい分量ですが笑)


「子どもとの信頼関係を取り戻したい!」と思ったときに読むべき本

学級経営が上手くいかない原因は、子どもたちと信頼関係です。

とはいえ、学園ドラマのような感動的なシーンではなく、最低限の信頼関係でいいのです。

信頼関係があれば、難題を与えたり、時には厳しく叱っても、しっかり子どもたちは付いてきてくれます。

逆に、信頼関係がなければ、どんないい言葉でも子どもたちの心に残ることはありません。


『U理論入門』中土井 僚

かつての僕自身の学級経営が上手くいかなったとき、一番救われたのが、この「U理論」でした。

「U理論とは何か?」を詳しく説明すると、とてもこの紙面では足りません。

ですので、U理論から僕が学んだエッセンスのみ紹介します。


U理論から僕が学んだこと、それは、

「人の話を聴くとは?」

でした。


少々、拍子抜けしてしまった人もいるかもしれません。

「人の話を聴く」なんて、よく聞かれることだと思います。

しかし、これが一番大事で難しい! そして、信頼関係を築く本質なのです!

信頼関係の築き方については、ぜひこちらの記事も読んでみてください。


単刀直入に言います。

あなたは子どもの話をちゃんと聴いていますか。


「聞いているにきまってます!」

と答えたあなた。

それでは、あなたは何をもって、「ちゃんと」話を聴いていると説明できますか。


子どもから相談を受けたとき、あなたの頭の中は「え〜またこの件かよ〜」「この子何回相談に来るのよ〜」と、思っていませんか。

そして、その子どもがすべてを言い終わる前に、「この件はこうすればいいよ」と言っていませんか。

もしくは思っていませんか。


あなたのその思考。

子どもたちにすべて見透かされています。

そして、「もう先生にはアドバイスを受けない!」と、信頼関係を失ってしまうのです。

そんなバカな、と思いますよね。


しかし、人間、会話中に自分の表情を自分で見ることができません。

つまり、自分の見えない表情が相手に見られているのです。

顔とは感情がよく出るもの。

あなたの思考は、相手に伝わってしまうのです。

まだまだ信じられない方。

あなたは誰かの顔色を伺って、仕事をすることはありませんか。

顔色からその人の状況を判断しませんか。

その顔色とは何か。

まさしく、その人の思考なのです。


繰り返しますが、子どもから相談を受けたとき、あなたの頭の中は「え〜またこの件かよ〜」「この子何回相談に来るのよ〜」と、なっていたとします。

そのときのあなたの思考の対象はその子ではありません。自分です。

自分の思考を再現すること、これを「ダウンローディング」と言います。

「ダウンローディング」になった瞬間、あなたの思考はその子から離れます。

ですので、ダウンローディングしそうになったら、その思考を「保留」しなければならないのです。


相当、難しいことを言ってしまいましたが、要はよく言われる「人の話を聴く」というのは超大事なのです!

逆に言えば、人の話を聴けば、子どもたちとの信頼関係を築けるのです。

U理論では、人の話を聴くことから、さらに発展させた理論まで踏み込んでいます。

ちなみに、僕が読んでオススメする本は「U理論入門」です。

基本的にこれで十分です。

あとは漫画版もオススメです(^^)

原著もあるのですが、こちらはちょっと難しすぎて、相当U理論を深めたい人だけで大丈夫です笑


まとめ:時にはハウツー以外の読書をしましょう

今回おすすめした本はいかがだったでしょうか。

正直、教育書ではないので、読みづらい内容かもしれません。

しかし、これらの本は一度理解してしまえば、一生役に立つ知識です。

それほど「力のある本」だと断言できます!

ぜひ、これらの本を生かして素敵な学級経営を築いてください!

ご精読感謝致します。

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