学級経営とは学びのインフラを整えること〜「孫の二乗の法則」で考える学級経営『地編』

孫の二乗の法則

一流の経営者から学級経営を学ぶシリーズです。

今回はソフトバンク創始者である、孫正義氏の経営理念を描いた「孫の二乗の法則」から学んでいきましょう!

「孫の二乗の法則」は著書にもなっていますので、興味がある方はぜひご覧になってみてください!

この「孫の二乗の法則」と学級経営がなぜ結びつくのか、また、なぜ自分がこのテーマについて書こうと思ったのか、については、下のリンクから「概略編」としてまとめていますので、まだの方はぜひご覧になってみてください。

以上を確認した上で、それでは本題に行きましょう!


「地の利」を得る

「孫の二乗の法則」を見てみます。

孫の二乗の法則 孫正義の成功哲学 (PHP文庫)板垣英憲より引用

今回、取り上げるのは上段の「地」です。

意味は、

・地の利を得る

となっています。


古代中国の兵法書である孫子では、「距離や険しさや広さや高低などの土地の状況」となっています。

闘いにおいては、戦場の地理をどれだけ理解しているかが、勝敗の分かれ目になります。

その土地の特徴を生かし、戦略を立てることが勝利への近道になります。


学級経営とは学びのインフラを整えることだ!

インフラとは日々の生活を支える基盤のことであり、たとえば、電気・ガス・水道などがあります。

電気・ガス・水道は生きていく上での、安心・安全を支えるものであり、インフラの整備がなくては、クリエイティブな発想もできません。

戦場ではないにしろ、生きていく上で、やはりその「土地」を整えることはとても大切です。土地というのは、インフラも含まれます。

つまり、よい土地を作ることや、インフラを整えることは、人間が何か活動するにあたって、とても重要なのです。

そして、学級経営において大切なのが、「学びのインフラを整えること」です。


では、学びのインフラとは具体化に何を表すのか。

それが、以下の4つではないかと僕は思います。


・もの

・場所

・時間

・ひと


これら4つをしっかり整えることが、よい学級経営につながる鍵なのです。

もっと具体的に見ていきましょう。


学級経営は「もの」を整える

実際に僕のクラスであった事例を紹介しましょう。

ある子どもたちが、学級文庫を美しく整理整頓したいとの理由から、「本棚を作りたい」を提案してくれました。

さて、本棚を作る際に、材料が必要になります。

そのときは、ダンボールやガムテープ、ペンなどでした。

「もの」があるからこそ、子どもたちは何かを創造しようと思うのです。

つまり、学級経営は「もの」を整えることが大切だということです。


学級経営は「場所」を整える

先程の続きです。

「もの」を巧みに使い、本棚が完成しました。

では、その本棚をどこに置きますか。

そのときは教室の後ろにスペースがあったので、そこに設置しました。

せっかく何かを作っても、置く場所や飾る場所がなければ、残念ですよね。

つまり、学級経営は「場所」を整えることが大切だということです。


学級経営は「時間」を整える

「もの」はあります。

「場所」も確保してます。

それで、もう本棚は完成しますか。

違いますよね。

そんな一瞬で完成する作品なんてありません。

考える時間。制作する時間。

そう、何かを創造するには「時間」が必要なのです。

つまり、学級経営は「時間」を整えることが大切だということです。

時間に関しては要注意です。

なぜなら、教師は、子どもたちに時間を確保する重要性をあまり理解していないからです。

自分たちは、「忙しい…」「時間がない…」「働き方改革だ…」なんて言っているくせに…


学級経営は「ひと」を整える

さぁ、充実した「もの」と、「場所」の確保と、制作の「時間」を与えたとします。

最後にもう一つ、大切なことがあります。

作ったものを教室に飾ったとき、同じクラスの仲間から、「ダサい」「いらない」という、冷たい言葉を浴びてしまったらどうですか。

もう二度と作りたくない、となりますよね。

そう、何かを創造するには、最低限、作品を馬鹿にすることのない仲間が大切なのです。

つまり、学級経営は「ひと」を整えることが大切だということです。


「もの」「場所」「時間」「ひと」…

これらが整えられていると、子どもたち自身が感じたとき。

そのときに、はじめて創造性が生まれるのです。


ちなみに、この理論は、ある本では違う表現で紹介されています。

「あそびの生まれる場所は『サンマ』である」

「サンマとは『三間』である」

「三間とは『空間・時間・仲間』のことである」


つまり、空間・時間・仲間を整えることが創造性を育むということです。

このサンマの表現が非常に気に入っていまして、僕の学級通信には「SWEETなサンマ」というタイトルをつけた年度があります。

表現は違いますが、学びのインフラと同じ意味です。


僕のクラスでは「もの」を整えるために、ペンや紙などを教室に配備し、

「場所」を整えるために、教室にはあまり先生のものを置かず、

「時間」を整えるために、朝自習や学活の時間で制作時間を確保し、

「ひと」を整えるために、楽しいレクリエーションなどで信頼関係を育んでいます。


まとめ:学びのインフラはすべてに応用できる!

今回、紹介した「学びのインフラ」はとても汎用性が高い実践です。

学級経営だけではなく、授業でも応用できます。


ねらいを達成するために、

子どもたちの持ち物はどうするのか。ペンが必要か、iPadが必要か、逆に必要ないのか。

活動場所はどうするのか。教室がいいのか、外がいいのか。

時間はどうするのか。10分程度なのか、2時間ぐらい必要なのか。

グループはどうするのか。個人作業なのか、4人グループなのか。


このように、日々の授業を考えるヒントになりますので、ぜひ活用してみてください!

ご精読感謝致します。

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