『道編』小学校の学級経営で大切なことは教師に志があること〜「孫の二乗の法則」で考える学級経営

孫の二乗の法則

一流の経営者から学級経営を学ぶシリーズです。

今回はソフトバンク創始者である、孫正義氏の経営理念を描いた「孫の二乗の法則」から学んでいきましょう!

「孫の二乗の法則」は著書にもなっていますので、興味がある方はぜひご覧になってみてください!

この「孫の二乗の法則」と学級経営がなぜ結びつくのか、また、なぜ自分がこのテーマについて書こうと思ったのか、については、下のリンクから「概略編」としてまとめていますので、まだの方はぜひご覧になってみてください。

以上を確認した上で、それでは本題に行きましょう!


学級経営で何より大切なことは教師に志があること

「自分はこんな教師になりたい!」

「子どもたちにこんな教育をしたい!」

このような「志」を持つこと。

それが学級経営で一番大切です。


「なんだ…精神論か…」

「今の時代に合っていないでしょ…」

と思うかもしれませんね。

しかし、志を持って学級経営に当たることは、ただの精神論ではありません。

そこにはしっかり、よりよい学級経営の基本があります。


孫正義氏も志を大切にされた!

もう一度、「孫の二乗の法則」を見てみましょう。

孫の二乗の法則 孫正義の成功哲学 (PHP文庫)板垣英憲より引用

一番左上。「孫の二乗の法則」の出発を司る言葉です。

それが「道」。

道とは「志を立てること」と、孫正義氏は言っています。

孫正義氏は、アメリカ留学にしても、事業にしても、何よりも「志」を大切にしてきました。

つまり、「志」なくば経営はできないということです。

ちなみにソフトバンクの経営理念は「情報革命で、人々を幸せにすること」です。


学級経営で志が大切なのは、指導の軸ができるから

学級経営の話に戻します。

学級経営で、教師に志が大切になる理由は、「指導に軸ができるから」です。

「指導に軸ができる」とは一体何でしょう。

それは「指導に一貫性がある」と言い換えてもいいかもしれません。


たとえば、「子どもたちが自分自身で自らの行動を振り返れるクラスにしたい」という想いがあったとしましょう。

子どもたちは日々、たくさんのトラブルや失敗を起こすものです。

しかし、その都度きちんと振り返れることができれば、それは素晴らしい成長の糧になります。

その想いを、具体的な場面に生かしていくことでたくさんのアイデアが生まれてきます。


・授業の最後には「頑張ったこと、もっとこうしたほうがよかったこと、次に生かしたいことなど」をノートに振り返る時間を設ける。

・クラスでトラブルがあったときは「どうしてこうなってしまったのだろう」「次にどうすればいいかな」と、子どもたち自身が振り返り、次に生かそうな言葉を投げかける。

・「振り返りジャーナル」のような実践を通して、一日をじっくり振り返る。


このように、数ある教育実践をただ闇雲に取り組むのではなく、自分の想いに沿った実践を効果的に取り組めるようになります。

教師の仕事は、残念ながら「自転車操業」に近い性質があります。

上手くいかない実践も、立ち止まることはできず、日々働きながら改良を加えなければいけません。

もちろん、誰もが失敗を繰り返しながら、自分の教育実践を高めています。

しかし、それでも効果的・効率的な実践を取り入れることは、それこそ多忙感極まる今の時代には絶対に必要でしょう。

だからこそ、まずは「こんな教師になりたい!」「こんなクラスにしたい」という志ありき。

それを踏まえた上で、自分なりの教育実践を模索していく。

このステップが大切です。

志を大切にすることが、単なる精神論で終わらない理由がおわかりになったでしょうか。

もちろん、指導に一貫性があることは、子どもたちに安心感を与えるメリットもあります。


志を持たずして取り組んだ学級の失敗談

ここで志を持たずして失敗した私の体験をお話しましょう。


年度末になり、もうすぐ今のクラスが終わります。

新しい学校に赴任したばかりで、戸惑いも多かったのですが、なんとか今年度無事に終われそうでした。

修了式が終わり、しばし子どもたちとはお別れしました。

春休みです。

本来ならばしばしの休憩。そして次年度への準備があります。

しかし、赴任した学校は、様々な教育改革をしており、春休みも全く休みが取れませんでした。

それも教育改革に関する仕事ばかりで、次年度の準備もできませんでした。

それこそ、「次年度はこんなクラスにしたい」といった志も全く持てないままでした。

ある日の午後、3時間だけ年休を取り、疲れ切った表情と体で、桜咲く皇居の周りを一人とぼとぼ歩いていました。

その3時間のみが、その年の春休みでした。


4月になり、新学期です。

本来ならば、学級づくりの準備に使う最初の数日も、相変わらず教育改革の準備でした。

平均20時退勤です。

そして、授業準備、掃除当番や給食当番のやり方、持ち物の整理など、全くできぬまま始業式になりました。

結果、そのクラスはどうなったでしょうか。

学級崩壊まではいかずとも、トラブル続出です。

その対応に追われる毎日。

本来ならば、未然にトラブルを防ぐ、ルールや仕組みを考えられたのですが、その時間も取れず。

子どもたちとの信頼関係も薄れてきます。

疲れ切った毎日を送りました。


次年度の準備を春休みにしてはもう遅い!

そこで学んだこと。

それは「次年度の準備を春休みにしてはもう遅い!」ということでした。

もちろん、赴任した学校自体の問題も正直あったと思います。

しかし、現実を変えるのはなかなか難しいので、自分自身を変えることにしました。

具体的には、こんな反省、そして行動を起こしました。


・学級経営において教師に志を持つことはやはり大切だ。

・「こんな教師になりたい」「こんなクラスにしたい」という志を持ち、そこから逆算して自分のやりたい教育実践を模索していく。その方が、時間的にも効率がいい。

・春休みでは間に合わない。そこで、今年度のクラスがありつつも、1月頃からぼんやり次年度の構想を練っておく。

・次年度に向けた実践を、今年度のクラスで試してみる。

・上手くいった実践ならば、次年度にも取り入れる。


少々、面倒くさく感じますが、このような準備をしておくことでクラスは安定しました。

結果、自分自身の体や心も健康に過ごすことができました。


今からでも志を持って学級経営に臨もう!

以上、私の体験から、学級経営において、志を持つことの大切さを述べさせてもらいました。

しかし、この記事を読んだ瞬間が年度の途中なんてこともあるでしょう。

(むしろそのパターンのほうが多いはず)

大丈夫です。

今からでも全然問題ありません。

かつての自分は、上手くいかなかったときでさえ、志を持たず、行きあたりばったりで学級経営を進めていました。

あのとき、年度途中であっても、一度立ち止まって、「今一度自分はどんな教師になりたいのか」「どんなクラスにしたいのか」と、振り返っていればよかったのです。

そうすれば、行きあたりばったりの実践もしなかったはずです。

ぜひ、この記事を読んでくれた方は、教師への志を持って、それでも険しい道ではありますが、豊かな人生を歩んでいってください!


ご精読感謝致します。

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