吃音でつらかったことと、そしてどう乗り越えたか(学生編)

吃音

「なんで僕には吃音なんてあるんだろう…」


吃音に対してつらい想いをしていたことがありました。


現役小学校教師のハルキと申します。

幼少期から吃音を抱えています。

大人になってからも吃音がなくなることがありません。

「吃音とともに人生を生きている」といっても過言ではありません。


吃音を抱えながら教師という仕事をよくやっているな、と時々自分でも思います。

教師はよく話す仕事ですので笑

もちろん吃音によってつらい想いをしたことは、昔も、そして今もあります。


僕自身の体験談から、今回は「吃音でつらかったことと、そしてどう乗り越えたか(学生編)」という内容でお話します。

いつもは学校の先生向けのアドバイスを書いていることが多い当サイトですが、今回は少し趣向を変えています。


・吃音を抱えている人

・吃音を抱えている人と接している人


こんな方々へ向けて、僕の体験談が何かのアドバイスになれば幸いです。

ハルキは学生時に吃音でどんなことに悩み、そしてどう乗り越えたのか?

最後まで楽しく読んでみてください笑


吃音でつらかったことと、そしてどう乗り越えたか(学生編)

僕が学生時に吃音を抱えてつらかったこと。

結論は以下の通りです。

・自己紹介

・音読

・卒業式


同じく吃音を抱えている人なら「あ〜その気持ちわかる❗」となりますよね笑

僕も例外ではありません。

なぜこれら3場面がつらかったのか、もう少し詳しく話していきましょう。


自己紹介でつまずく

4月になり新年度になりました。

進級です。新クラスです。ワクワクする気持ちもありつつ、緊張もしています。

そして、多くのクラスではまず自己紹介をするのです。

「一人で」

「みんなの前で」

です。


そんなに長い自己紹介ではありません。

名前、趣味や特技、そしてよろしくお願いします、と言うぐらいです。

短いからこそ、周りのみんなはスラスラ言います。

なんとなく「スムーズ」な流れができてしまうのです笑


そして僕の番。


吃音で声が出ない。


みんな「あれどうしたの?」と顔をして、視線が一気に集まります。

スムーズな流れが途切れます。


やっと声が出た。


「ぼ、ぼ、ぼ、僕のな、な、なー名前は…」


声が出せてもこんな感じです笑

周りからクスクスと笑い声がします。

新学期の自己紹介は大変なのです。


音読でつまづく

国語の時間がよくある音読。

音読も吃音とは相性が悪いです笑


一斉の音読ならまだしも、一人ひとりみんなの前で声を出す音読は大変です。


吃音って不思議なものでして、「一斉に声を出すと症状が出ない」のです。

でも、一人で声を出すと症状が出ます。


また、音読のように「決まった文章を読むときに症状が出やすい」のです。

自分で考えた文章だと症状が出づらいのですが、決められた文章ですと相性が悪いのです。


音読でつまづいた後の展開は自己紹介と同じです。

周りからクスクスと笑い声がします。


卒業式の呼びかけで泣く

小学校の卒業式では「呼びかけ」というものがあります。

「今日!」

「わたしたちは!」

「卒業します!」

といったように、一人ひとり決められたセリフを大きな声で言う場面です。


さて卒業式という厳粛で緊張する場面。

全学年の先生もいます。

保護者もたくさんです。

そんな中、音読と同じように「決められたセリフ」を大声で、一人で言うのです。

想像するだけでキツイでしょ笑


いきなり本番ではありません。練習があります。

練習とはいえ、卒業生・在校生の学年全員が参加しますので約100人ぐらいが体育館にいます。

最初の練習日。

呼びかけの場面。

僕より前の人たちがスムーズに大きな声で声を出していきます。


そして僕の番。

今でも覚えています。

セリフは「たくさんの触れ合いと」です。


わかっていたのに…

声が出ない。


あまりの悔しさに僕はその場で泣きました。

学年全員がいる状況で。


後にも先にも吃音を抱えていて一番つらい場面でした。


僕は吃音をどう乗り越えたのか

具体的には何かを変えたわけでもありません。

自己紹介や音読なんてどうしようもありません。

それが吃音です。


強いていうと、卒業式の呼びかけは「指をポキポキ鳴らしてリズムを取る」という工夫をしました。

そして、徐々に練習でも症状を出さずに言えるようになり、本番も無事成功しました。

小学生ながら「吃音サバイバル」をしてきたのです。


学生時代、僕は吃音という最大のライバルと過ごしていきました。

時には吃音を恨んだこともあります。

しかし、乗り越えたときの嬉しさは半端じゃありませんでした。


そうなんです。

吃音ってつらい。

きつい。

大変。

でも、それを乗り越えたときの達成感は、本人にしかわからない最高の瞬間が訪れます。


卒業式を終えたとき、何よりも呼びかけの達成感に溢れていました。

もちろん、まだまだつらい思い出は多々ありますが、吃音によってもたらされた楽しい思い出もたくさんあります。

乗り越えた方法なんて正直ありません。

「逃げずに立ち向かった」だけです。


学校。

就活。

仕事。

結婚。

吃音で悩む場面はたくさんあり、実際大変でした。


でも、僕は吃音を持っていながらすべてを達成できました。

今回は僕が学生時に吃音でつらかった体験談です。

少しでもプラスになっていただけたら幸いです!

もし困ったことがあれば、ぜひメッセージしてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました❗


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コメント

  1. 齋藤 より:

    吃音の先生なんて最高ですね。
    それは、吃音の子どもにとっても、そうでない子どもにとっても、とても意味のあることだと思います。
    先日、吃音のある息子の面談がありました。
    小2の息子の担任は「吃音に関して、学校ができることは、何もないです。吃音は、特別支援の子どもではないから、特別な対応はしない。吃音のことは、専門家に任せていれば良いんじゃないですか。」というものでした。
    あまりに理解がなく、言いたいことは沢山あったけれど、その言い方に冷たさを感じて、帰りました。
    もし、息子の担任が子どもの頃に、吃音の先生に受け持ってもらえていたら、吃音の子どもへの思いは違っていたかもしれません。
    吃音の先生がいるって、素晴らしいことだと思います!

    • haruki より:

      齋藤様

      素敵なメッセージをありがとうございます!

      自分の記事が少しでもプラスになってくれれば本当に嬉しいです!

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